日々がってんブログ

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東京2020オリンピック開会式の演出で感じた5つの残念な点

昨日、2021年7月23日に東京2020オリンピック(東京五輪)の開会式が行われました。

それについて私が思ったこと、感じたことを簡単にまとめてみたいと思います。

五輪開催についてまず思ったこと

コロナ禍の中で五輪史上初となる1年延期、そして演出担当者(佐々木宏氏、小山田圭吾氏、小林賢太郎氏)の過去の不適切な言動による相次ぐ辞任・解任など前代未聞の“ドタバタ劇”の中での開催。
正直個人的にはこのコロナ禍の中での開催はいかがものかと感じていましたが、始まってしまった以上仕方ないという複雑な気持ちです。
しかも開会式の前日にショーディレクターという事実上の現場の責任者までもが解任されてしまったのは今回のオリンピックの一連の“グダグダぶり”を象徴する出来事でした。

というわけで今回のオリンピックにそんなに乗り気ではなかったわけですが、開会式の演出についてはどんな出来になっているのか前々から興味があったのでフルで見届けることにしました。

まだご覧になられていない方、またもう一度どのような演出があったか見返したい方は以下の開会式ハイライトをご覧ください。

演出についてまず感じたこと

とりあえず演出についての評価をダイレクトに言うならば、「えっ?何年間も満を持して作り上げた結果がこれ?」という感想でした。

まさにこのデーブ・スペクター氏のツイートと全く同じ感想です(笑)

確かにコロナ禍により1年間延期になったことで演出を見直ししなければいけない部分があったにせよ、招致決定から何年間も練り上げる時間があったにしては出来があまりにもお粗末だなあと。

当初は野村萬斎氏、椎名林檎氏、MIKIKO氏といったメンバーが演出に関わっていましたが、大会の1年延期決定後に相次ぎ辞任になっていることも少なからず演出の出来に影響したことは間違いないでしょう。

演出で感じた5つの残念な点

では具体的にどこが残念に感じたのか具体的に見ていきたいと思います。

全体にまとまりがなく構成が雑

まずはこれに尽きるでしょう。
演出全体として流れる骨格というものが感じられず、全体としてどこか“ツギハギ”のような印象を持ちました。
音楽で例えると別々に作ったAメロ、Bメロ、サビを適当に繋ぎ合わせたような感覚でしょうか(笑)

ドローンによる光の演出など所々に良いなと思える場面はありましたが、それも唐突な感じで全体として何を視聴者に伝えたいのか最後まで“ピンボケ”でしたね。

所々にある意味不明な演出

上のまとまりのなさとも関連しますが、所々に意味不明な演出が見られるのも全体としてのクオリティを下げている要因だと思います。
特に所々に登場したリポーターとカメラマンの演出は何が言いたいのか意味不明でした。

あと劇団ひとり氏と荒川静香氏の寸劇も同じく意味不明。
へのへのもへじ」は笑いを取りに来たのでしょうか?
でも日本人には受けても外国の方に果たして伝わったのかどうか怪しいです。

歴史や伝統的な文化のアピールが弱い

2008年の北京五輪、2012年のロンドン五輪など開会式の演出でなんと言っても目玉だったのが自国の歴史の表現にあったと思います。
前回の1964年の東京五輪ではまだ今のような開会式での演出はなかったわけで、今回が江戸時代から現代に至る東京の歴史を思う存分アピールする絶好の機会だったわけです。
当然期待していたわけですが、歴史の変遷を表現した演出はありませんでした

伝統文化では真矢みき氏参加の大工パフォーマンスと市川海老蔵氏が演じた歌舞伎パフォーマンスがありましたが、どうも強いインパクトが感じられませんでした。
特に歌舞伎とジャズピアノの組み合わせは違和感ありありで“不協和音”としか思えず…

日本のシンボル的存在とも言える忍者や侍の登場もなく、拍子抜けしてしまいました。

サブカル分野のアピールが弱い

上の伝統的な歴史や文化のアピールに加えて、近年の「クールジャパン」の肝とも言えるアニメ・ゲーム・音楽といったサブカルチャーのアピールも弱いと感じました。

2016年のリオデジャネイロ五輪の閉会式では世界的人気ゲームキャラであるマリオを登場させたことが話題になりました。
今回の開会式でも登場するのか期待はしていましたが、残念ながら登場することはありませんでした。

日本のサブカルを感じられた部分といえば、入場行進中に流れたドラゴンクエストを始めとしたゲーム音楽、「翼をください」の英語版くらいでしょうか。
世界的知名度抜群のマリオポケモン(両者とも任天堂発)を登場させなかったことは謎ですし、「翼をください」もわざわざ英語バージョンにする必要はなかったはずです。

それに加えて納得がいかないのはジョン・レノンの「イマジン」とラヴェルの「ボレロ」というどう考えても日本をアピールするものとは言えない微妙な選曲。
ここは日本を感じさせるような音楽を使用するべきだったでしょう。
例えばアイドル歌謡や演歌なんかうってつけだと思います。

「復興五輪」はどこへ?

そもそも東京に五輪を招致した時の最大のテーマは東日本大震災からの復興を念頭に置いた「復興五輪」だったはずです。
しかし残念ながら昨日の開会式からはこのような制作意図はあまり感じられませんでした。

東日本大震災で被災した福島県の高校生が「オリンピック賛歌」を歌う場面はありましたが、演出全体として復興を感じることはあまり出来ませんでした。
コロナ禍や多様性にウェートを置きすぎた余り、「震災復興」が置き去りにされてしまった感があり非常に残念です。

 

 

コレにがってん!

満を持した開会式の演出は予想以上にお粗末で残念。
閉会式の演出がどうなるかまたチェックしたい。